東京タクシーブログ 『個人タクシー目指してます』

東京都内でタクシー運転手をやりながら人間観察に勤しんでおります。タクシーやんなきゃ味わえないあんな話やこんな話。息子が3人いるのでそっちの子育てブログも更新中。




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【タクシーニュース】堀江孝文氏とひろゆき氏のタクシー業界に対する対談を業界内部から解説

ライブドアニュースで堀江孝文氏とひろゆき氏がタクシー業界に関して語っていて、これが中々興味深かったので僕なりに解説してみようと思います。

ひろゆき氏と堀江貴文氏がタクシー業界に要望「参入障壁を下げて」 - ライブドアニュース

こちらの記事ですね。



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※写真は調布の方から見た新宿のビル群


堀江氏は冒頭でタクシーのクオリティの低下が目に余るレベルだと語っていますね。
過去にも似たような事をSNSかなんかでも発言されてた。

何をもってクオリティかっていうのも議論の余地はありそうだけど、少なくともタクシー業界内部から見て僕はこれに関しては全く同意出来ません。

いつの頃と比較しているのかは分かりませんが、少なくともバブル期の乗車拒否が横行していた時代からしたらサービスのクオリティは確実に向上しています。

十数年前まではほとんど見なかったトランクサービスも、今や個人タクシーレベルでもやっているし、ドアサービスを徹底している会社も増えてきた。

昔の運転手は禁煙車でもタバコを吸いながら走っていたけど、今はほとんど見なくなった。

同時に堀江氏はカーナビ操作が出来ない運転手にも苦言を呈していて。
この意見に関しては完全同意です。

この発言には、道を知らないのは百歩譲って良しとするがせめてそれを補うカーナビ操作くらいは出来るように教育しとけよっていう堀江氏なりの愛を感じますね。

カーナビ利用に理解があってありがたい話です。

何故か未だに道を覚えないのはカーナビのせいだとされる風潮があるのだけど、地図を広げて覚えるのと常に画面に地図が広がってるのを覚えるのにどんな違いがるのか僕には分からない。

結局道を覚えるかどうかは本人の心持ち次第で、紙の地図だろうがディスプレイの地図だろうが同じ事です。

とまぁカーナビの善悪に関してはこんな所で止めておいて。


記事内では最近になってカーナビの操作が出来ない運転手が増えたというニュアンスなんですが、それは普通に考えてあり得ない。

都内タクシーのカーナビ装備が一般化してからせいぜい15年くらい。
当時操作に手間取った運転手が多かった事は間違いないでしょう。

それと、小泉政権下で行われたタクシー業界の規制緩和によって新人運転手が大幅に増加した事があって、その時期は相対的にカーナビに疎い運転手が多かった事も考えられる。

けど、今になってカーナビ操作が出来ない運転手の絶対数が増加するという事は考えにくい。

多忙な堀江氏自身のタクシー利用が増加してクオリティの低い運転手が目立ったのか、たまたまそういう運転手を連続で引き当ててしまっているという事は考えられるけど。

実は昔からクオリティの低い運転手はこの業界には大勢います。
最近は減少の一途を辿ってはいるけども、依然としてかなりの数が存在しているというのが正しい認識だと思う。

最近になって増加したという認識に関しては間違っていると思うけど、結局頻繁に利用している人がそう感じるって事はまだまだ業界全体のクオリティの向上には至っていないって事なんでしょうね。

これは深刻ですわ…。


一方でひろゆき氏は規制緩和をすべきだと発言されてる。
これにも一部反論がございまして…。

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まず前述した通り、小泉政権下では規制緩和が行われました。
タクシー業界にあった台数制限が取っ払われて、新規参入も自由に。

結果猛烈な数の増車と聞いたこともないやばそうな(暴力団絡み等の)タクシー会社の増加をも招いたわけですね。

お二人は競争原理が働いてサービスやクオリティが向上するだろうと言っているけど、少なくとも小泉さんの行った規制緩和ではそれが思うように機能しなかったのは明白。

規制緩和によって劣悪な労働を課せられたバスの運転手が事故を起こすニュースが連日流れましたけど、同じく規制緩和されたタクシー業界でも事故は急増しました。

急増した空車のタクシーが繁華街を埋め尽くして渋滞を作り、お客さんの奪い合いで運転は荒れて事故は急増。
そんな状況下では当然接客説遇はお察しですよね。

新自由主義によるほっぽり投げるかのような規制緩和は、向く業界と向かない業界がある訳です。
少なくとも人命を預かる旅客運送業の規制緩和は危険すぎる。


タクシーを利用するなんて時は普通時間に余裕が無い時ですよね。
接客の良いタクシー会社が理想だけど、急いでいる時は会社を選んで乗るなんて出来ません。

サービスやクオリティを重視したって、残念ながら今のままじゃそのコストに見合う程にはお客さんから選ばれないんですよ。

結局台数を増やせば増やすほど道路上での危険な競争によって事故は増え、接客等のクオリティは下がる一方なんです。


とは言え規制緩和もやりようはあると思っています。
対談の中でUberの話が出ました。

Uberのサービスそのものも中々危険な話ではあるんだけど、ただお客さんが運転手を評価するシステムがあって、これに関しては非常に興味深い。

例えばお客さんが運転手を評価し、それによって賃率(稼ぎに対して運転手が貰える金額の割合)が変動するシステムなんかをタクシーセンターと主だったタクシー会社が共同で一斉に導入したらどうだろうか。

高評価の運転手にはちゃんと高い賃金が支払われるシステムにしてしまう。

これならば道も覚えるだろうし、接客説遇もしっかりやる。
車内も清潔にするだろうし、台数増加もなんのその。
評価の低い運転手は自然淘汰される筈だし、そういった運転手の比率が多い会社はタクシーセンターからペナルティを科す等をして会社をあげたコンプライアンスの向上に繋げると。

まぁ腰の重たい業界だから夢物語でしょうけど…。


タクシーで嫌な思いをした事が理由で利用を避けてたり、近い距離で文句を言われた事があって申し訳なくて乗れない何て言う潜在的なお客さんってとんでもない数いるんですよね。

ほんと勿体ない。
クオリティの低い運転手のせいで失った顧客ですよ。

こういったお客さんを取り戻すだけでタクシー業界の景気は今より絶対に良くなる筈なのに、なんだか悔しいですよねぇ。

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