【タクシーネタ】アル中爺さんって時として蒸発させたい
忘年会シーズンだとさ、酔客が増える訳ですよ。
トラブル嫌いの僕は100%酔客の繁華街を避けて営業するんですけど、それでもたまに何でここに酔っぱらいが!?って場所で乗せたりしますね。
突如野生の酔っ払いが出現する訳ですね。
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もうお爺ちゃんでさ、ふらふら街を歩いているタイプの人いるじゃないですか。
一言で言うとしょうがねぇ奴。
正にあのしょうがねぇ奴だったんですけど、乗ってからわりとすぐに言うんですよ。
「しょんべんしたい!漏れる!」
もう勘弁してよ。
公衆便所もコンビニもすぐには無いよ。
「もうどこでもいいから!その辺ですっから!」
うわぁって思いながらも、車内で漏らされたらたまんないから停車してドア開けますよね。
降りたと思ったらまたすぐ乗り込んできて。
「おいおい、勘弁してよ~!こんなとこじゃできないよ~!」
知らねーよ。
「もうちょっとほら、人がいない所にしてよ」
知らねーよ。
あんたに羞恥心が残されているだなんて知らねーよ。
でもね、そんな事言ってもね、人気のない所なんてそうそうないの。
世田谷区の城山通りって通り沿いなんだけど、ここは夜でもまぁまぁ人歩いているんですよ。
しばらく走ったけどそこそこ人歩いているんですよ。
人気のない所なんてないよ。
「あ、無理!もう無理!降ろして!降ろせー!」
降ろせー!じゃねーよ。
いっそ地獄まで降りてって欲しいくらいだわ。
でも車内はだめ。
車内はまずいよ。
慌てて車停めたらさ、酔ってふらふらなくせに勢い良く飛び出して車道上でしちゃう訳。
ここも普通に人歩いてっからね。
みんなドン引きしながら早歩きで去って行くからね。
さっきの一旦恥ずかしがるくだりは何だったんだよ。
ごっそりいらねーよ。
アル中爺さんのピュアな面を垣間見せるんじゃないよ。
何はともあれこれで車内は汚されずに済んだ。
「いやー危なかった危なかった。俺がよぉ、降ろせって言わなかったらこの中しょんべんまみれだったなーがっはっはっは」
あー、これ僕が今ヒグマだったらこの人間八つ裂きにしてんなー。
八つ裂きにして森に帰っていくなー。
なんて思いながら爺さんの話を聞くのだ。
「俺はよぉいつも金はちゃ~んと払うんだよ」
「はい?」
「はい?じゃねーんだよぉ!俺は酔っぱらっててもいつも金だけはちゃ~んと払うんだよぉ分かってんのかい?」
何か良く分かんない事言ってるんだけど、取り敢えず僕がNASAの偉い人だったらロケットの外側にくくりつけて宇宙に飛ばすね。
NASAが開発したもがけばもがくほど締め付けられるロープで括りつけて宇宙に飛ばすね。
「あーここでいいんだよここ。ここ俺んちだからよぉ。いくらぁ?」
「1090円です」
「いくらぁ?」
「1090円です」
「いくらだぁ?」
「千と九十円です!」
「いくらぁ?な~んて冗談だよじょ~だん!聞こえてるよぬははは!」
あーなるほど。
そう来ますか。
ふむ。
それもまぁ良かろう。
ただね、これは僕がもし太陽だったらこの爺さんにピンポイントでフレアの熱を飛ばしてね、一瞬で蒸発させてるね。
ハジュ!って。
ハジュ!って音させて蒸発させてるね。
まぁでもね、取り敢えずすげー時間かかったけどお金は払って貰ったんですよ。
さすが酔っぱらってても金は払う事に定評のある爺さん。
降り際に「この気持ち忘れんじゃないよ!」とか謎のセリフを吐いてたけど。
それ厳しい新人研修でボロクソに罵倒されるけど最終日で教官に感動的に言われるセリフだろうが。
まぁいいけどね。
無事に降りてってくれるんだったらほんといい。
それだけで儲けもん。
と思ってたら、ドア開けて降りる時に小銭を車内と外に派手にぶちまけやがって。
ほんと何なの。
全部乗せラーメンかよこいつ。
おいしいの全部やっていくねこいつ。
ドア半開き状態で、暗い所で見えてるのか見えてないのか手探りで小銭拾ってっからさ、もう全部ささっと拾って渡して逃げて来ましたよ。
年末は後何回こういうの乗せるのかなぁ。
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