【タクシーネタ】紳士要素ゼロ紳士が僕の為にしてくれた事
こんにちは。
今日も東京のどこかを走っているタクシードライバーのぜつです。
写真は御成門側から撮影した東京タワーの先っぽです。
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さて、先日乗せたおじさんの話。
おじさんっていうか、まぁほとんどお爺さんですかね。
乗る時はほんと紳士的な感じでさ、シルクハットとステッキが似合いそうな良い感じの。
「ふむ、すまないね、私はこの時間はいつもティータイムにしているのだ」
こんな事言いそうな感じですよ。
「下がっていたまえお嬢さん、奴はもう人間の心を持ち合わせてはいない」
これも言いそう。
ゾンビウイルスに侵される街で是非言ってほしい。
何回も言ってほしい。
「よかろう、それでは私の得意な料理、セメダインと同じ味のするグラタンをご馳走しよう」
これは言わない。
何だこれ。
誰のセリフだこれ。
まぁとにかく紳士的なイメージのオジサマですよ。
目的地に向かってるとさ、犬の散歩をしている若い女性がね、歩道を歩いていたんですよ。
トイプードル。
そのトイプがさ、何を思ったか僕の前の車道に突如飛び出して来たんですよ。
うおおってなって。
一応リードはしていたんだけど、結構ゆとりある感じにたるんでて、車道に飛び出す事が出来るくらいはゆとりがあって。
まぁもう急ブレーキですよね。
後ろの紳士砕け散るくらいの急ブレーキですよね。
めちゃめちゃ焦ったけど 、トイプは避けて僕もどうにか手前で急停止出来たわけ。
「ふむ、私の事ならご心配なく、あなたがこの時間にこのタイミングでブレーキを踏むことは分かっていた事なのですから」
言いそう。
これは言いそう。
言いそうっていうか言うべき。
ウザいくらい繰り返し言うべき。
予知系紳士ね。
まぁ実際の予知系紳士はめちゃめちゃビックリしてて。
「お客さん!大丈夫ですか?」
吹っ飛んだ訳じゃないけど一応声を掛けた。
「俺は大丈夫だけど、あいつ、どういう神経してんだ!!」
あれ?
予知系紳士の様子が。
いやまぁ勝手に紳士キャラにしたのはこっちだけども、紳士すげーご立腹な感じ出してて。
「運転手さん、ちょっと待ってて」
とか言うとドアを開けて外に出て行った。
「おいいいいてめーー!あぶねーだろうがあああ!犬くらいちゃんとおさえとけええええ!!」
予知系紳士すげー怒ってる。
すげー怒鳴ってる。
愛犬が一歩間違えればひかれてたから、その若い女性もあぶねーって感じで。
驚きと安堵の顔でトイプ抱っこしてて。
そこに激怒紳士が大声でやって来たから安堵の表情は消え失せて、残ったのは驚きと恐怖の顔ですよ。
「マナーがなってない奴はなぁ!犬なんか飼う資格ないんだよおおお!あああ!」
「すいませんでした…すいませんでした…」
みたいな事になってて。
あわわわわって声出てた。
車で待機している自分の口から勝手にあわわわわって声出てた。
まぁさ、ほら、みんな無事だったんだからさ、結果オーライじゃない。
とても言える状況じゃねぇ。
もうあの紳士誰もとめらんねぇ。
っていうかそもそもあいつ紳士要素ねぇ。
紳士だった瞬間がねぇ。
散々怒鳴り散らして、結構ギャラリーが集まって来た所でさ、紳士要素ゼロ紳士が車に戻ってきて。
「運転手さん、ちゃんと言っといてあげたから」
なんか親指立てる勢いで言ってた。
ウインクしながらグーみたいな感じ出してた。
なんか僕の為にボッコボコに怒鳴っといてあげたからみたいな事になってた。
そういう流れの持っていき方になってた。
「あ、ど、どうも〜」
もう引きつった笑いでこう言うしかないよね。
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おかげさまで健闘中!