【タクシー情報】自動運転タクシー導入後の予測
自動運転タクシー。 今後この国では導入されていくだろうし、そうあるべきだとも思っている。
タクシー業界にいてAIに仕事を奪われて行く立場なんだけど、だからこそ、この流れは止められない事は良く分かっている。
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とは言え、やはり今すぐ今のタクシードライバーの仕事をそっくりAIに取って変えられるかっていうと、システム的にも技術的にもまだ厳しい。
システム的というのは、組織や法律の部分なので今後どうなるかは読みにくい部分。
それでもいつかはクリアしてくるだろうけどね。
今回はそっちではなく、技術的な部分で未来を予測してみたいと思う。
まず自動運転タクシーに関して、楽観的な見方をする運転手が多い。
「荷物を持ってあげたりトランクに入れたりしてあげているんだから、機械にそこまでは出来ないだろ」
その通りなんです。
今タクシー運転手がやっている仕事をそっくりそのまま機械がやる事は不可能。 っていうかお話にならないレベル。
とは言え、出来る事が急速に増えてきている事は事実。
髪の毛をかきあげる動作とタクシーを止めようとしている動作の見分け方。
丁度ガードレールの切れ目に安全に停車出来るか。
狭い道で対向車が来たとき、一旦すれ違えるポイントでやり過ごしてから進めるだろうか。
車内を著しく汚されたのだけど、それに気付いてさらに掃除できるだろうか。
お金を持ち合わせていないので途中のコンビニで下ろしたいから寄って欲しいんだけど、駐車場が空いてなかったから少し離れた路上で待機して、お客さんがコンビニから出てきたのを見計らって入り口まで進んでまた乗せる事は出来るだろうか。
これらは今はまだ無理。 お話にならないレベルで無理。 だからそっくり同じ事は出来ない。
しかし現状でも可能なものがある。
タクシー乗り場から、登録された数個の行き先へピストン輸送するシャトルバスのような使い方だ。
これはタクシーというより路線バスの仕事に近い。 つまり自動運転によって最初に島を削られるのは路線バスだと考えるのが自然。
決まった行き先へ輸送する貨物運送事業も取って変わられやすいけど、荷物の積み降ろしが頻繁にあるような短距離輸送はまだまだ無理。
さて、タクシー業界もおちおちしてはいられない。
そっくりそのままは無理だけど、ピストン輸送から始まって、次に幹線道路上ならば融通が効くようになってくる。
乗車したら恐らくタッチパネル式のディスプレイが客席にあって、行き先を地図上でタッチしたり、住所検索や音声認識で指定するんだろう。
「指定された場所は狭路の為お送り出来ません。こちらは如何でしょうか?」
なんつって最寄りの送れる幹線道路を提案してくるんじゃないかな。
こんな感じでタクシードライバーの仕事はじわじわと削りとられていく。
そこで持ち上がる議論がこれだ。
確かに混まない細い裏道を行って、安い料金でより迅速に送るのは有人タクシー。
しかし運転が荒い、接客が横柄で怖い、行き先を勘違いする。
そういった経験で嫌な思いをした事があるお客さんはどう思うだろう。
多少高くて時間がかかるかもしれないけど、気が楽な自動運転タクシーを選ぶのではないだろうか。
車椅子とかベビーカーとか、荷物の積み降ろしを嫌がっている運転手もいるけど、そんな事言ってる余裕は近い将来無くなりますよ?