東京タクシーブログ 『個人タクシー目指してます』

東京都内でタクシー運転手をやりながら人間観察に勤しんでおります。タクシーやんなきゃ味わえないあんな話やこんな話。息子が3人いるのでそっちの子育てブログも更新中。




【タクシー情報】僕が若くしてタクシー業界を選んだ理由

タクシーはおじさんがやるもの。
こんなイメージを持つ人は少なからずいるんじゃないですかね。


僕自身もそう思っていましたし、実際に中年の転職の受け皿としての機能もあるタクシー業界ですから無理もないですね。
東京のタクシー平均年齢は57歳くらい。


確かに車の運転さえ出来れば誰でも出来る仕事です。
今は接客の要素も大きくなってきていますので、一概にそうとも言えなくはなっているんですけどね。


さて、そんな業界に僕が24歳という年齢で飛び込んだのには明確な理由がございます。


僕はタクシーの仕事が大好きでずっと続けて行きたいからです!
みたいな面接で言いそうな事はこれっぽっちも思っていません。


車が大好きです!
車の運転も大好きです!


ナイナイ。


車の種類とか全然わかんねぇしこだわりも一切ない。
自家用車を車屋さんで"愛車"とか言われると背中がムズムズしちゃう。

全く愛してない。
単なる道具だから。


車の運転は嫌いじゃないし、一歩引いてるのでストレスも溜めない方だけど、敢えてしたくはない。
単なる移動手段だから。


そんな僕にとって今の会社勤めの法人タクシーの経験は、資格を取得する為に避けては通れない道なんです。


街を走る一般的な旅客タクシーは大きく分けて2つ。
法人タクシーと個人タクシー。

法人タクシーとは会社の看板を背負ったよく見る普通のタクシー。
そして個人タクシーとは法人タクシーの経験を経て、個人事業主として開業したタクシーの事。


タクシーの車体のてっぺんで光っている行灯。
あそこに個人と書かれているのが個人タクシーですね。


多くが2種類のどちらかの協同組合に所属しているので、例えば東京なんかでは殆どの個人タクシーが"でんでん虫"か"提灯"の行灯を掲げています。


さてさて。
僕はこの個人タクシーの権利を"資格"と捉えています。


年齢によって個人タクシーへの条件は若干違うのですが、基本的には10年間の法人タクシーの乗務経験が必要になってきます。
10年間は長い!

しかもね、10年かければ誰でもなれる訳ではございません。
これには無事故無違反を最低でも3年間は継続させている必要があります。
さらにさらに、今はタクシー減車の為に新規で開業は受け付けていません。

じゃーなれねーじゃん。

いいえ、これが全くなれない訳ではないのです。


今現在個人タクシーで営業している人の中には高齢の方もいらっしゃいます。
もうそろそろ引退かなーと考えている人もいます。

そういった先輩から権利を譲り受ける"譲渡"という制度がございます。


今は個人タクシーになるにはその方法しかありません。

しかもそれが中々大変。
なりたい人の数に対して、引退する人の数が圧倒的に少ないからです。


僕を含めて、何故そうまでして個人タクシーになろうとしている人が多いのか。
人それぞれ感じている魅力はあると思うのですが、僕は主に以下の理由から。

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・時間が自由に使える


これ。
他にも理由はあるけど、一番はこれ。


他にも個人経営の事業はいくらでもあるけど、個人タクシー程自由に時間を使える仕事はそうそうございませんよ。


例えば商店を構えている人も、好きに休む事くらいは出来るでしょう。
でも余程信頼されてて人気がない限り、急に連休をとったり半日で閉めちゃったりしたらお客さんは離れますよね。


個人タクシーはそれが出来る。


タクシーは一定地域に一定数存在する需要を法人と個人が供給合戦を繰り広げています。
つまり共通のお客さんを奪い合うスタイル。


固定のお客さんではない限り、自分がいなければ他の誰かが供給する訳。


八百屋が臨時で休んだら他のどっかの八百屋がすぐさまリヤカー転がして同じ場所で営業するようなもの。
お客さんはここに来れば野菜が買えると言う需要を潰すことがない訳です。


無論休めば収入はゼロです。
でも休まなければ収入は法人タクシーよりも増えます。


法人タクシーは会社によって違いはあるものの、だいたい売り上げの半分は会社に持っていかれます。

燃料費や車のメンテナンス費用等はすべて会社もちですから、当然と言えば当然。


個人タクシーの場合はラーニングコストこそ掛かるものの、仕事をした分の全てを収入とする事が出来ます。
そしてそのラーニングコストは燃料や消耗品以外はほぼ一定額なので、仕事をすればするほど収入比は高くなり、法人のソレをあっという間に抜き去ります。

法人と全く同じように仕事をしていれば個人タクシーは収入を上昇させる事が出来るって訳。

出勤時間が決められている法人よりも、忙しい時間だけ狙って出勤出来る点も効率的ですね。


しかし、僕はそこにそれほど大きな魅力は感じていません。
収入が増える事は当然重要な事ですが。


でもやはり一番の魅力は好きに休めて好きな時間に仕事が出来る汎用性の部分。


これが何を意味しているのか。

他に好きな仕事を自由にする事が可能であるという事です。


それこそネットでの収入を模索したり、どこかにお店を出して見たり。
それらが軌道に乗らなければまたタクシーで稼げばいい。

挑戦してみたい事を背水の陣をひかずに出来る。

金銭面は別だけど、少なくとも仕事面ではノーリスクで好きな時に脱サラが出来るような状態だって事です。


時間が自由に使えるというのは無論新たな事業展開だけに留まる話ではございません。

僕のような子育て世代ならば、妻が体調不良の時、専業で家事をする事も出来る。

子供の休みにいくらでも合わせられる。

旅行なんて行き放題。


悪徳商法みたいな甘い文言が続きますが、僕はここを目指しています。


狭き門ではあるのだけど、着実に体をねじ込めば通れない門では無い。

権利を優遇して貰うために支部で行われている勉強会に通い、超安全運転で無事故無違反を継続させる。


この無事故無違反という条件が都内のタクシードライバーにとっては死ぬほど難儀なんだけど。
なんせ過失が1パーセントでも付けばアウトなのだから。


自分から事故を起こさないのは当然として。
突撃してくる自転車やバイク、自動車を全て回避し続ける事。
上下左右どこにあるのかわかんねぇ道路標識を見落とさない事。


これです。


そしてそれらの条件をクリアした後に、最後の試験があります。
無事故無違反の継続年数によっては激ムズとされる地理試験は免除されます。

しかし法令試験は全員にあります。

僕も現在この法令試験の勉強中。
不定期な更新が今後さらに不定期になりそうですけど、ここでは法令試験の勉強も兼ねた記事を書こうかなーって思ってたりもします。


あー今回は珍しく語ったわぁ。
でもこれで個人タクシーに少しでも興味を持ってもらえたらいいですね。

個人タクシーの定年は75歳に設定されました。
団塊の世代がそこに近づけば門は多少広がるのかもしれませんよ?


自動運転タクシーで今後やべーんじゃねーのって話はまたいつか改めて。

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