【タクシーネタ】言葉での意思の疎通が出来ないお爺ちゃんの秘密兵器
先日乗せたお爺ちゃん。
「どちらまで行かれますか?」
「うーーうぐーーーああーーぬー」
あーなるほど、そう来ますか。
おっけーおっけー。
会話通じないパターンのやつね。
見た目は明らかに日本人だし、どこかの言語と言うよりはうめき声に近いんで外国人でもなさそう。
でもね、こう、動きとかジェスチャーはしっかりしてて、とりあえず真っ直ぐ行ってくれ的なものは感じ取ったので、不安ながらも走らせた。
言葉で意思の疎通が出来ないお客さんとの仕事。
その賭け、乗ったぜ爺さん。
きっと真っ直ぐ走っていれば、ここって場所で教えてくれるだろう。
ある程度走った所で、そろそろじゃねーの?って所まで来たところで後ろをチラッて見たらさ、爺さんね、ガラケーいじってた。
テンキーポチポチしてた。
終わった。
もうこれ終わったって思って。
エヌイーエヌジーユーエヌオーオーエスエーエムイーディーオーケイアイ。
ねんぐのおさめどき。
って思って。
ストップ掛ける気のある人なら外をよく見てる筈だもの。
これはこのままね、ストップ掛からずに行きすぎちゃって料金上がっちゃった分は僕が支払わなきゃいけないパターンですわ。
変な人乗せて泣き寝入りのパターンはタクシーではちょいちょいあるわけです。
お客さん、まだいいんすか?まだいいんすか?って感じを出すために、ちょっと後ろの方に体を傾けたりしてたんだけど。
こっちわりとそわそわしてる感じを出しまくってたんだけど、気付いて貰えない。
想いが伝わらない。
お爺さんたらずっとガラケーに夢中なんだもん。
あんなに愛されてるガラケーも中々無いよ。
家では神棚とかに飾ってんじゃねーかな。
これはもう行くとこまで行っちまおうと思ってね、心で泣きながら走らせましたよ。
そしたら。
赤信号で停まったときに、また「うーぐーああー」ってうめき声を出すのが聞こえて振り返った。
そしたらですよ。
そのガラケーの画面を見せてくる訳。
そこには"この先のデニーズの前で"って書いてあって、ちょっともうね、泣きそうになったよね。
っていうかちょっと涙でた。
何か障害か病気かで声が出せない状況下で、馴れないマシーンであろうガラケーのボタンを必死にポチポチ押してたのかーって思ったらさ、うるうる来ちゃう。
地雷扱いしてほんとごめんなさい。