【タクシーネタ】ボールペンの代わりに渡しかけた有り得ない物とは
ボールペンね。
タクシードライバーだってボールペンを使うことがあるんですよ。
ハンドルだけを握り続けてそして朽ちて行く訳ではないんです。
チケットとかクレジットカードでの支払いにサインも貰わないといけませんからね。
僕が会社から借りている担当車はハンドルの右上にペンホルダーが付いてて、いつもそこにボールペンが刺さっています。
もうね、完全に距離感を把握しているので、ノールックで手に取ることが出来るから、両目同時にイヌワシに持っていかれてもボールペンを手にしてサインを貰う事が出来るんです。
まぁ両目持っていかれてるんでね、本当にサイン書いてくれたか目で確認出来ないのが懸念すべき点ですかね。
そこは手の感触になっちゃうんで、筆圧ですよね。
「お客様!これはもっとデコボコ気味に書いてくれなきゃ困ります!」つって。
でまぁそんな事は、眼球をイヌワシに持ってかれた話はどうでもよくて。
この間ね、サインを頂こうといつもの通り手を伸ばしたらですよ。
なんつーか、感触がこう、細すぎるっていうか。
しかしながらノックする部分だけがぽっこりしてるっていうか。
スッとお客さんに渡しかけたそれはね、柄の部分にこけしみたいのがくっついた木製の耳掻きっていう。
慌ててね、なーんちゃって~みたいなね。
一連の流れ作業のように引っ込めてね、胸ポケットに入ってる予備のボールペンを渡したんだけどさ。
なに今の?ってな顔してたよね。
いやいやいや。
こっちこそだし。
こっちこそなに今の?だし。
今でこそ掴んだ物が何だったのか分かってるけど、この瞬間は分析にまで至らなかったから。
僕は何を掴んでたの?
タクシーは基本、一期一会じゃないですか。
でもこれさ、このお客さんにはさ、一旦こけし耳掻きチラ見せした後にボールペン渡すっていう運転手になっちゃったからね。
もう一回チャンス欲しいわー。
こけし耳掻き挟まないバージョンの僕も見せたかったわー。
「そうそう。これでね、このこけしの部分をカチカチ押してね、先端でカキカキしてね」
「っておい!」
「これこけし耳掻き!」
みたいなね、ノリツッコミいけるタイプだったらそのまま渡してたかもしれないんだけどね。
若干急いでます感出してたからさ。
ペンホルダーにさ、何故か耳掻き刺さってんのよ。
何故かとは言ったけど、もうこれ相番の仕業で確定。
タクシーは基本一台の車を二人の担当者が交代で使うので、相番が片付け忘れたに決まっているの。
でもさ、ボールペンはどこ行ったんだ。
普通に考えたら相番の耳に刺さってる事になっちゃうけど、そうなの?
街で耳にボールペン刺さってるおじさん見かけたらそれ僕の相番ですので宜しくお願いします。