【タクシーあるある】トークが盛り上がった後の運転手の顔をチェックしよう
お客さんの中にはね、笑かす事に命をかけるタイプがいまして。
そういった人はさ、もう自慢の鉄板ネタを次々放り込んでくる訳。
本当に面白い場合もあれば、その武装でよくぞ伐って出たなっていうちょっとした豪傑タイプもいたりして。
結局こちらの反応はどっちも似たようなもので、盛大に笑ってあげるに尽きる。
どやーってかました鉄板ネタで反応が無かったときの絶望感っていうの?
僕はあれ良く知ってるから。
あれは極力味わない方がいいやつだからね。
あれ食らった後はちょっとね、暫く猫カフェとかに入り浸る事になるからね。
それでまぁここで使う僕のタクシー接客のノウハウっていうか、ちょっとしたテクニックっていうのがございまして。
こういった笑わせたい客はタクシーを降りたあとにね、外から運転席をチラッと覗き込んで確認してくるパターンがあるんです。
「俺って面白い客だった筈だけど、万が一あの運転手が愛想笑いだったらどうしよう」
この感覚ね。
この不安があるのね。
そこで覗き込んだ運転手の顔が真顔だったらどーすんの?
その足で猫カフェ行っちゃうよ?
このあと大事な取引があっても猫カフェから出てこないよ?
そこで僕がやるのは"余韻笑い"ね。
お客さんの視線の射程外に移動するまではね、余韻の笑みを保つんですよ。
「よしよし。ちゃんとウケてた」
これで晴れて取引に挑めるわけですね。
ただね、中にはとんでもねぇ、地獄のようにつまらない話もありますよね。
乱世だったら串刺しにされるんじゃねーかってくらいの話ね。
そんときはさすがにね、真顔です。
お客さん降りた直後に殺人的な真顔。
ご覧。
僕の顔をご覧よ。
あんたがどんな話をしていたか、その答がここにあるんだよ。